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【大都会仙台】愛宕神社に夜景を見に行ってきた【雨の夜の散歩】

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一般的に大都市ってのは、海に面した平坦な土地に展開されるものだ。東京、大阪、名古屋、福岡、若干内陸にあるものの、札幌もそれに該当するか。山や海に挟まれた複雑な地形の中に成立する大都市ってのは稀有な存在で、その夜景の美しさは100万ドル払っても惜しくないものだという。代表的な例は神戸、海外なら香港なんかがそれに当たるか。

あまり知られていないことだけど、実は仙台もどちらかと言えば後者に該当する。太平洋から山形の県境まで広がる市域のちょうど真ん中、青葉山や八木山、愛宕山の麓の河岸段丘の上に仙台市の都心部は位置している。仙台に行ったことがあるor住んだことがある方ならお分かりかと思うけど、仙台市の都心部はもはや山と言っても過言ではない。

仙台駅のペデストリアンデッキを、オタクビルもといEBeanS方面へ歩いて行くと、立ち並ぶ中層ビルの奥に2棟の超高層ビルが顔を覗かせているのが分かる。駅から見て右側の、まるで墓石のような風貌のビルは「仙台トラストタワー」。仙台市内、宮城県内、東北地方全域どころか、白河の関以北の北日本で最も高いビルだという。

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それよりもう少し低い左側のビルは「住友生命仙台中央ビル」、通称「SS30」。先端にアンテナの様な物体が乗っかっているけれど、震災前にはそこから本物のアンテナが生えていたという。アンテナが撤去された理由についてはお察しください。というか、お察しくださいも何も、単純に折れてしまったらしいのだ。それはもうポッキリと。

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この2棟のビルの麓のローソンでおにぎりを2個、2個入りのサンドイッチを一袋購入し、仙台随一の夜景の名所である愛宕神社までの散歩が始まる。服を濡らし靴を汚す雨が無慈悲にも降り続いているけれど、そういうのを気にせず歩くほうが若者らしい。そう思いたい。

仙台市の中心部を縦に貫く、片側3車線の国道4号改め286号を脇目に長町方面へ向けて歩いて行く。ローソンで買ったおにぎりを2個食べ切る頃には、広瀬川の向こう岸に愛宕山の鬱蒼とした森が見えてくる。仙台の都心部は意外と狭く、そして山に囲まれているのだ。

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広瀬川を渡ると、右手に愛宕山へ登る側道が現れる。仙台市中心部を車で走ったことのある方なら見覚えのあるであろう「急カーブ スピードおとせ」と書かれ、周囲の雰囲気をぶち壊している壁の、その上を通る道がこの側道だ。

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側道から後ろを振り返ると、なんだかもう既に景色が良い。トラストタワーとSS30の姿が遠くに霞んで幻想的な雰囲気なんだけど、XperiaZL2のカメラではその光景を伝えることができない。iPhoneと並んでカメラの性能に定評のあるXperiaとは言え、所詮スマホカメラはスマホカメラだ。

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側道は頂上で二手に別れる。右手へ折れる道へ進むと、愛宕山の更に奥深くへと入っていくことになる。しかし愛宕山の標高はたったの78m。奥深くという表現を使うことに違和感を感じないでもない。もちろん日本一低い天保山の4.53mに比べたら十分すぎるくらいに山らしいと思うけれど。

右手へ折れた先の急勾配の道を登り、頂上の神社へと登る階段がロクに整備されずに朽ち果てた成れの果てをいくつかスルーして、突き当りまで進むと、それはそれは立派な鳥居が出現する。赤くて…太くて…おっきいのぉ…

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鳥居の下を潜ると、ドM自転車乗りが泣いて喜びそうな激坂が姿を現す。ルートラボでこの坂に線を引いてみたところ、平均斜度13%だそうだ。体感的には15%くらいに感じたんだけどなぁ。暇な時にバラクーダで登ってみようか。

とは言ってみたものの、激坂の両サイドには階段が設けられ、激坂そのものには滑り止めの役割を果たす物だと思われる石が敷かれている。純粋なアスファルト舗装の幅は狭く、少しでも蛇行しようものなら階段or滑り止めの石の上に落ちてグリップを失うと思う。激坂でグリップを失ってしまったら、あとは分かるな?

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頂上の愛宕神社に辿り着くと、さっそく木々の間に巨大な仙台トラストタワーの姿が見え隠れしている。アスファルトでもコンクリでもない、もはや泥と化した砂の上をズボズボと歩き、登ってきた南側の斜面とは反対の、崖以外の何物でもない北側の斜面のギリギリまでにじり寄ると、ほら。

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雨だから霞んでいて分かりづらいけれど、仙台都心部の高層ビル群と言えなくもない夜景が見える。トラストタワーのウェスティンホテル部分や、SS30のアンテナ跡は雲の上に隠れてしまっているとは言え、これはこれで幻想的な景色だ。

青森出身の僕は、小学校の修学旅行の行き先が函館だった。函館と言えば函館山からの夜景が有名だけれど、少しでも天気が悪いと霧が掛かって何も見えなくなってしまう。これは函館山の標高が334mと中途半端に高いのが原因だ。

対して愛宕山の標高は、前述の通りたったの78m。これがビルだったとしたら、建築法で「高層ビル」に分類される程度の高さ。トラストタワーはもちろん、SS30やAER、東北電力ビルやドコモビルよりも低い。要は愛宕山は下界なのだ。

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それにしても雨の夜の神社だなんて、まるでフィクションじゃないの。少々闇を抱えたかわいいかわいいのじゃロリ妖狐なんかが現れてもおかしくない雰囲気だし、出てこなきゃ詐欺だと思う。なんなら狐耳の巫女さんでも許す。

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後日、晴れた日にもう一度来てみた。今度はトラストタワーもSS30もはっきりくっきりと見える。時間は7時半くらい。6月の17日、ほとんど夏至ってことで、この時間でもまだまだ空は明るい。あと30分くらいすれば完全な夜景になるんだろうか。

これは口が裂けたら言えないことだけど、SS30やAERに比べると、トラストタワーは明かりの灯っているフロアが少なく感じてしまう。これが空室率の高さってやつか。裂けてないんだから言えるし、だいたいこれは文章なんだから、指さえあれば幾らでも言えてしまう。今は音声入力なんて物もあるわけだし。

仙台の闇を垣間見てしまった。

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「軍艦愛宕慰霊碑」だってさ。ぱんぱかぱーん。ちなみに重巡愛宕の艦内神社は京都の愛宕神社であるわけで、仙台の愛宕神社は単純に愛宕信仰繋がりで愛宕神社を名乗っているだけらしい。そういえば、僕の地元青森の岩木山山頂の神社も愛宕神社だったと思う。

ちなみに最寄り駅は地下鉄南北線の愛宕橋駅。愛宕神社までは歩いて15分くらいってところか。いくら山とは言え、麓を流れる広瀬川の対岸には仙台の中心部であるわけだから、夜景スポットとしては相当交通の便の良い部類に入ると思う。

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北高南低なんて言われる地下鉄南北線で、更に帰宅時間帯である8、9時。愛宕橋駅から泉中央行きの地下鉄に乗ると、五橋まではガラガラ過ぎて確実に座れるのに対して、仙台駅からは一気に乗車率がカンストなんて次元を超えるのが面白い。

今度から地下鉄で移動する日は、仙台駅じゃなく五橋から乗ろうかなんて考えてしまったけど、仙台駅からなら終点の泉中央まで乗っても15分だ。たかだか15分のためだけに、五橋駅まで15分くらい歩くのは無駄の極みでしかないなぁ。

(C) 2013-2017 これは放熱ダクトですから!